管楽器プレイヤーと金属アレルギー
2025年07月04日
「なんだか練習後に唇がピリピリする…」「金管を持っている手が赤くなる」
そんな経験、ありませんか?
実はこれ、金属アレルギーが原因かもしれません。
楽器に使われている金属と、演奏者の体質の相性によって起こるこの症状。
気付かずに我慢している方も意外と多いのです。
今回は、演奏に関わる金属の種類と、そのアレルギー対策についてご紹介します。
そもそも金属アレルギーって?
金属アレルギーは、金属が汗などで溶け出し、体内のタンパク質と結びつくことで免疫反応が起こる現象。
よく知られる症状は「かゆみ・かぶれ」ですが、疲労感や頭痛が出る人も。
代表的な原因金属は以下の3つです:
- ニッケル
- コバルト
- クロム
管楽器に使われる「アレルゲンになりやすい」金属たち
■ 洋白(ニッケル・銅・亜鉛の合金)
フルートやクラリネット、オーボエのキィなど“よく触れる部分”に使われます。
メッキによって直接触れないように加工されていますが、摩耗した部分などには注意が必要です。

■ 真鍮(銅+亜鉛)
サックスをはじめ、金管楽器の管体や、アコースティックギターの弦などにも使用される素材です。
銅や亜鉛が汗と反応することでアレルギー症状が出ることもありますが、
多くの楽器では真鍮の表面にメッキやラッカーなどの加工が施されており、肌が直接触れる機会はそれほど多くありません。
そのため、過度に心配する必要はありませんが、長時間の演奏や摩耗には注意しましょう。

アレルギーになりにくい金属もある!
■チタン:軽量で強く、非常にアレルギー反応が出にくい素材として知られています。
マウスピースやリガチャーなど、唇や手に触れるパーツに採用されていることもあります。

■白金(プラチナ)・金・銀:
純度が高ければ反応は少ないですが、柔らかく傷つきやすいため、楽器では合金やメッキとして利用されることも多いです。

よくある“対策”とプレイヤー実践例
■汗をこまめに拭く・練習環境を整える
– 夏場の練習ではタオル必須!
■物理的に金属を遮断
– 手袋を使う金管奏者も多数
– マウスピースは唇にふれる部分にトップコートを塗って使う奏者も
– 弦楽器ならコーティング弦に変える選択肢も
■パーツをアレルギーの出にくい素材に変更する
– チタン製マウスピースへの交換
– 表面メッキを再加工して対応する例もあり
まとめ:演奏に集中するために「自分の体質を知る」ことも大事
もし「肌がかゆくなる」「唇に違和感がある」といった症状があれば、それは身体からのサインかもしれません。
演奏の快適さを守るためにも、素材の違い・対策方法を知っておくと安心です。
※症状が出ている場合は、まずは医療機関の受診をおすすめします。
「他にもこんなことが知りたい!」などご意見、ご質問がございましたら、お気軽にお寄せください。
当店では、
- フルート/ピッコロ
- オーボエ
- クラリネット
- サックス
- トランペット/コルネット
- ホルン
- ユーフォニアム
- トロンボーン
- マウスピース/リガチャー
といった管楽器やその周辺の商品も広く取り扱っております。
買取・販売どちらでもお気軽にご相談ください!