レジスターキイを押していないのに音が裏返る?
2025年07月13日

クラリネットを吹いていて、「あれ?レジスターキイを押していないのに音がひっくり返る…?」 という経験はありませんか?
楽器のせいかな、自分の癖かな、と見過ごしてしまいがちですが、実はちょっとした調整で解消し、ぐっと吹きやすくなることがあります。
クラリネット経験者かつ現在はリペアをおこなう私の実体験から、ある一例をご紹介したいと思います。一例であり、すべてが同じ原因とは限りませんので、このような症状があれば専門のリペアラーにチェックしてもらうことをおすすめいたします。
原因は「リングの高さ」
レジスターキイを押していないのに音が裏返ってしまう原因の一つとして、「リングの高さ」が関係している可能性があります。
吹くときにトーンホールを押さえる指の力が強すぎると、キー全体が下がり、リング部分が低くなってしまうことがあります。画像の様に爪の色が真っ白になるまで押さえると、もしかすると力を入れすぎているかもしれません。一つの目安として参考にしてみてください。

リングが低くなると…?
下の画像に写っている青矢印のキーをご覧ください。
リングの内側にある「煙突(指で塞ぐ音孔)」の部分より、リングの方が低くなっています。
この状態では、指でリングを押していても上にある連動するキーがうまくトーンホールを塞ぐことができなくなり、結果としてレジスターキイを押していないのに音が裏返る症状が出ることがあります。

調整で楽に吹けるように!
リングの高さを適切に調整することで、指先に無駄な力を入れずに音孔をきちんと塞げるようになります。すると連動するキーの密着度も上がり、不意な音の裏返りを防ぐことができ息もしっかりと入る様になります。
クラリネットの演奏では、このわずか数ミリの違いが操作性に大きく影響を与えます。
リングの高さが自分の手や吹き方に合っていれば、連符や速いパッセージの演奏もずっと楽になります。
調整をおこなうと下の画像の様にきちんと塞がるようになります。ちょっとした調整で、練習がもっと楽しくなるかもしれません!

まとめ
いかがでしたか。
同じようなお悩みを持っている方の参考になれば嬉しいです。
このように大きな調整ではなく、奏者ひとりひとりの吹き方や力に合わせた微調整で演奏の快適さを追求することができるのが管楽器の奥深さでもあります。
他にもこんなことが知りたい!などご意見、ご質問がございましたら、お気軽にお寄せいただければと思います。
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