巻き方の違いで吹き心地が違う!? 『ガイヤータイプ/クルスペタイプ』とは

ホルンには巻きが2種類あるってご存知ですか?

2025年05月12日

自分の楽器を持とうと考えた時、選ぶポイントが皆さんそれぞれあると思います。

ホルンなら管体の素材、レバーアクションの種類、ベルカット式かワンピースタイプか…など色々あると思いますが、管の巻き方は意識されたことはあるでしょうか。
実はホルンには巻きが2種類あり、それによって吹いた時の抵抗感や音色が変わってくるのです。

今日はホルンの巻き形状の、ガイヤータイプとクルスペタイプの違いについてお話していこうと思います。

ガイヤータイプ(クノッフタイプ)

ガイヤータイプはロータリーがまっすぐ一列に並んでいて、
F/B♭切り替えのロータリー(4番ロータリー)が左手小指側、3番ロータリーの下にあります。

管の巻がシンプルで、その分抵抗感が少なく息通りが良いです。
初心者の方や肺活量に自身のない方にオススメな巻きタイプで、明るめの音色がします。

画像:Hans Hoyer 801MAL 表
画像:Hans Hoyer 801MAL 裏

筆者は801MALを9年吹いていますが、息が通りやすく、しっかり鳴ってくれるのでお気に入りです。
ですが、音の明るさと抵抗感が少ないゆえの軽さが気になってきているというのも本音であります。
吹奏楽向きの華やかで明るい音ではありますが、落ち着いた音色に憧れがある方には少々不向きな楽器であるのかもしれません。

クルスペタイプ

クルスペタイプはロータリーが1つだけ列から少し離れたところに並んでいて、
F/B♭切り替えのロータリー(4番ロータリー)は左手親指側、1番ロータリーの斜め上にあります。

管の巻が複雑になっており、ほどよい抵抗感があります。
ガイヤータイプとはまた一味違う、落ち着いた豊かな音色が特徴で、
抵抗感のある吹奏感が好みの方にオススメな巻きタイプです。

画像:Alexander 103GBL 表
画像:Alexander 103GBL 裏

個人的な感想にはなるのですが、
アレキの103はずっしりとした重厚感のある豊かな響きの音色がすごく魅力的な楽器だと思います。
ガイヤータイプに比べると抵抗感はあり、息の入りづらさは感じますが、その分音のコントロールが楽にできる感覚があります。

吹奏感の感じ方は人それぞれなところはありますが、やはり巻きによって変わるところも確実にあると思うので、吹き比べができるならぜひお試しして違いを実感していただきたいです!

また、アレキサンダーの103はクルスペに近い巻きなのですが、
少し違った独特な巻きをしているため、厳密に言うとガイヤーでもクルスペでもないのです。

ただ、ロータリーの位置などから見てもクルスペに近いので、一般的にクルスペタイプの楽器と認識されているようなイメージがあります。
なので、今回はクルスペタイプの楽器としてご紹介しました。

先日アレキサンダーとは違うクルスペの楽器、YAMAHA YHR-668D の入荷がありましたので、おまけでそちらの画像も載せておきます。

画像:YAMAHA YHR-668D 表
画像:YAMAHA YHR-668D 裏

アレキサンダー 103と同じで、F/B♭切り替えのロータリー(4番ロータリー)は左手親指側、1番ロータリーの斜め上にあります。
ですが、やはりロータリーの位置は同じでもアレキサンダーとは違った巻き方をされているので、よく見てみると色々な発見があっておもしろいですね。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今後のホルン購入時の検討材料としていただければ幸いです!

当店では、
・フルート/ピッコロ
・オーボエ
・クラリネット
・サックス
・トランペット/コルネット
・ホルン
・ユーフォニアム
・トロンボーン
・マウスピース/リガチャー

といった管楽器やその周辺の商品も広く取り扱っております。
買取・販売どちらでもお気軽にご相談ください!

管楽器コラム一覧にもどる